君なのかい?。
去年の今ごろ、僕たち夫婦は中々辛い出来事が重なり、かなり参ってた。
妻のおじいちゃんが亡くなり、その直後、妻の妊娠が分かった。
喜びも束の間、心拍が無く、この世界にくる事なく旅立った。
精神的にだいぶギリギリだったかもしれない。
お互い普通に生活しようとしてたけど、やっぱり空気があまり良くない時もあったり、無理をしてた気がする。
そんな時、家の敷地に一匹の黒猫が寄り付くようになった。
お黒さん。
元々、近所には野良猫がちょこちょこいたんだけど特には気にしてなかった。
ただお黒さんは、人に慣れてるっていう感じではなかったけど、よっぽど近づかない限りさーっと逃げる事はなかった。
いつも舌が出ていて、毛はぼっさぼっさで、ちいさくて、いつもけだるそうにこちらを見てくる。
その姿に僕も妻もすっかり虜になった。
とはいっても、無責任に餌をあげるわけにもいかないので、休憩してるとこを邪魔しないようにそーっと横切ったり、こっそり盗撮したり、程いい距離感の付き合い。
その写真を、今日いたよとか二人でライン送りあったりして、お黒さんが僕たちを保たせてくれてた。
そんな関係が数ヶ月続き、秋になり、そして妻の中にまた命がきてくれた。今度は心拍が確認でき、二人で静かに喜んだ。
そして、助けてくれたお黒さんに、満を持してお礼をしようと話していた。煮干しかな、チャオチュールかな。
だけど、お黒さんは僕たちの前から姿を消した。僕たちのお礼を受け取ってくれることなく。。。
もしかしたら、舌が出てたのも、けだるそうだったのも、逃げなかったのも、もしかしたら病気だったのかもしれない。
猫は死に際は見せないって聞いたことがある。何だかすごく寂しくなった。 妻は、お腹にきてくれたのかな?と、寂しさ紛らわすように感謝してお腹をさする。
そして月日は流れ、お黒さんはやっぱり見ないけど、他の猫たちは春を謳歌している。 その中に黒猫も数匹いる。
12月くらいから見かけるようになった4匹目の黒猫ヨン様。 鼻筋と舌が出てるとこ、毛がやや赤い部分がお黒さんみたいだ。 人間見ると素早く逃げて行くところは全く逆だけど。
だんだん暖かくなってきて、猫たちの毛も生え変わってきている。
ヨン様も、毛が少なく、少し瘦せて、毛が赤くぼさぼさで、舌が出てて、車来てもよけなくて、、、
ん?ヨン様?ん?? あれ、これお黒さんじゃない!?え、ヨン様がお黒さん!?お黒さんがヨン様に進化してたの!?えっ何、じゃあお腹の中の子は誰!?
はい、この議論で、夫婦、少し荒れました。。。
最近のお黒さん似のヨン様の写真用意します。顔認証のプロお願いします。
煮干し用意しとくか、、、